着地場所の模索

何を目指してどこの国に行くか

 

~留学準備~

 こんにちは。この記事を書いてるゴールデンウィーク、とうとう慶應大学が授業をしないという決断をしました!!

 

そんな感じで気分が良いままこの記事を執筆しているのですが、話を戻すと、今回は留学に興味がある(かもしれない?)という読者さんに向けて、自分が出願した派遣交換留学とはどのようなものであるかに加えて、国選びや選考に臨むにあたり考えたことなどを発信できればと思います。

 

不備なく旅立つための準備について少しでもお話しできればと思います。

 



 

~行き先を決める (5月中旬まで)~

まず、留学を思い立ったら吉日、行き先となる国を考えることを優先してよかったと自分は感じています。

 

留学先と言って皆さんが思い浮かべる国、多分大半が英語圏なんですよね。

 

もちろん英語圏には他に変え難いものが揃っていますが、国選びで大事なことは英語圏に拘ることではなく、自分の望むものがその国にあるかということです。

 

自分が考える交換留学に行く人が求める要素というのは主に3つだと思います。

 

①語学力向上

②学問の先進性

③文化への興味・愛着

 

他に確固たる軸がある人はもちろんいると思いますが、逆にまだ不確定なことが多い人はこの3つを揃えられる国であるかを参考に選ぶと良いと思います。それでは以下で3つについて解説します。

 

 

①語学力向上

語学力と一口で言うものの多くの人は英語を思い浮かべるでしょう。

 

ただ僕が国選びで意識したことは英語圏でなくても英語が達者な国はたくさんあるということです。確かにネイティブスピーカーほど流暢でない国もありますが、特に欧州の国に関して言えば非常に高い英語レベルを有している国がほとんどです。

 

殊、僕がスウェーデンを選んだ理由の一つはその英語力の高さです。国の人口の9割近くが英語を第二言語として話すことができ、日常会話まで含めて英語で完結させることができます。

 

もちろん英語圏の完成されきった英語に触れることも一つですが、自分の考えとしてどちらの国も自分の英語レベルより遥かに上に存在しているからどっちでもいいというものです。そのマインドで行き先を探すとかなり幅広い選択肢が見えてきます。

 

一方でフランス語やドイツ語、スペイン語や中国語など大学の2外にあるような言語を極めたい場合、その言語の母国に絞る方が良いかもしれないですが、中にはスイスにあるジュネーブ大学やベルン大学はフランス語とドイツ語と英語の三つの言語でコースが開かれており、そのような多様性を基準に選ぶのも面白いですね。

 

ただ、気にせずに英語に集中したいけど、英語圏以外に興味がある人におすすめしたいのは、北欧(慶應の協定校だと、スウェーデンノルウェーデンマーク)とオランダとスイス(前の二つと違ってフランス語やドイツ語のコースが多い気がします)です。これらの国は非常に高いレベルで英語を話し、協定校の基準でも英語のみを要求しているところがほとんどであるために、英語圏のハードルの高さがない中で非常に効率的に英語力を磨くことができると思います。

 

 

②学問の先進性

これに関しては割と二の次になりやすい観点であると感じます。

 

そもそもどの国でどんな学問が強いかということを最初から頭に入れている人ってなかなか多くないように感じます。研究職を志す人でもない限り、どんなことを現地で学びたいかということはあくまで留学志望書に書くだけの形式的なものになってしまうことがほとんどでしょう。

 

留学でしたいことは人によって様々であるし、必ずしも学問を追い求めなきゃいけない理由はどこにもないです。

 

しかし、この交換留学という枠で留学に臨むのであれば、何を学びたいかにある程度の透明性と説得力があることを求められるように思います。

 

単に英語力を伸ばしたいのであれば、国内でできることは無限にあるし、短期の語学留学だってあります。そのためにもその国で何が学べるかをしっかりと把握し、語学力向上以外にモチベーションがあるとより一層自分の留学目的を明確にすることができると思います。

 

斯く言う自分も学問思考に一貫した筋を持たせることを意識しました。

 

僕は文学部に所属していますが、その中でも教育学という分野を専攻しています。この教育学が意味するところは単なる教員養成ではなく、人文社会学的な教育という事象への探究であり、その探究のプロセスは人によって様々です。

 

このプロセスの一つに比較教育学という学問分野が存在し、国同士の教育制度や教育現場を比較することで教育という事象を一般化していくものですが、言うまでもなくこの国際比較は十分留学の動機となり得ます。

 

自分は特にPISAなどの国際的な教育のビッグデータの中で毎回上位に北欧の国が挙がるということに対して興味を抱き、それが高じて行き着いたのが交換留学で北欧の代表格のスウェーデンへ行くことです。この留学を通じて、双方向的な視点を獲得することで一層比較教育の視点を養うということが一番の学業的な目的です。

 

英語を学びたいという動機だけで国や地域を絞ることは、①で書いたように英語を使うことができる国がいっぱいある以上難しいということに気づいた時、実際に自分が何を学びたいのかを考えることは非常に大きな助けとなってくれるでしょう。

 

英語を学ぶのではなく、英語を使って何かを学ぶという視点に立つと留学の意義は一層増すように思います。こじつけのようなものでも良いので兎に角、学問的な動機を見つけることが国選びの助けとなってくれることは間違い無いでしょう。英語はあくまでもツールであるという考え方は必ずしも英語ができなくともプラス作用を生み出してくれるように思います。

 

 

③文化への興味・愛着

上の二つに比べて書類上の志望動機で述べることが難しい観点ではあると思います。

 

でも、僕個人としてはこの三つ目が留学を決意する最後の一押しであったと思います。

 

一年間異国で生活することって簡単なことではありません。ましてや、そこで学び続けるとなると尚のことです。そのきつい思いをしてでも留学を選ぶにはその異文化への興味、関心無くしては成し得ないことでしょう。

 

僕は必ずしも、①や②のような社会的に誉められたり、自己の価値を高めるような崇高な動機を持って海外に行く必要はないと思います。

 

もちろんそれが全くないのに行って一年間向こうでの勉学を耐え切ることはほとんど不可能でしょうが、それでもこのような少し方の力を抜いた動機が留学の軸になることは何も問題がないと思います。

 

その体験こそ大学生という何でも許される四年間でしかできないことであるでしょう。

 

僕も本音を言えば、一番の動機を聞かれれば、幼少期に住んでいたヨーロッパという地へのノスタルジーを挙げたいです笑

 

まあ、慶應さんはそんなもの許してくれないだろうから仰々しく教育学の話を志望理由書に書きましたが、国選びの観点で一番優先すべきことはその国や文化への興味や愛着であると強く感じます。だからシンプルに一年間その国で生活したいという動機で交換留学を考えることは悪くない選択だと個人的は思います。

 

〜国が決まったら〜

国が決まったらあとは英語力と成績を上げる(または維持する)だけです。  僕の場合は北欧行きを決意したのは2年の4月であったため出願期限の10月までひたすら選考のことだけを考えて、英語の勉強をしていました。  

 

正直、国選びには全く苦労しなかったため、ひたすら北欧の基準点に向けて英語を勉強するだけでした。(ちなみに慶應の北欧の出願基準はそこまで高くないです。)

 

 英語の勉強に関しては人それぞれだと思うんですけど、おすすめは参考書と過去問を本番までに何度も繰り返しつつ、オンライン英会話と英単語を少しずつ進めれば問題ないと思います。  英語圏に行く人はここのハードルがものすごく高いところが多いのでそれも英語圏にこだわりすぎてはいけない理由の一つです

 

こうして、IELTSかTOEFLを期限までに受験して基準さえクリアし、成績をひどすぎない程度にとれば(慶應の基準的にはGPA2.0から出願可能です。選考に通るためには3.0近くあれば安心みたいな噂があったような、なかったような)残すは志望理由書です。

 

この志望理由書の内容は先の国選びで挙げた観点をうまく言語化して書けば大丈夫だと思います。

 

ここで大事なことは自分が書いた文章を客観視することは大変難しいので、選考に通った先輩や友人に添削を頼むことです。(僕も同じヨーテボリに行かれた先輩に添削をしていただきました。)

 

また志望理由書では第6志望までの大学を聞かれますが(志望校が6つより少ない場合は自分の志望校の数だけでも可です。)そこには自分の第一志望と同じ地域の国や大学を選ぶことで第一志望ほどではなくとも、それに近い学びを得ることができます。中には志望度が低い大学の方がより充実した学びの機会があったという人もいるぐらいなので、第一志望の大学に拘るよりもその国や地域での学べることを基準に選べると良いと思います。

 

ちなみに自分は第1から順に次のように絞りました。

 

ヨーテボリ大学(スウェーデン

②ベルゲン大学(ノルウェー

オスロ大学(ノルウェー

アムステルダム大学(オランダ)

⑤ウプサラ大学(スウェーデン

アムステルダム自由大学(オランダ)

 

北欧とオランダという教育の総合ランキングで上位に来る国を一貫して選ぶことによって大分志望理由書が書きやすく、またどの大学が選ばれても悔いがないような志望リストであったように思います。



今回の記事は以上となります。かなり留学情報発信記事感が出てしまいましたが、留学を悩む人のために少しでもこの微力な記事が役に立てば幸いです。

 

次回困難だらけの出国前手続きについてです。いよいよ出発まで、おおよそ3ヶ月となりました。日々無事出国できることを祈る日々です。では。